胃内容物の誤嚥では直後に気管支痙攣、次いで食物残渣による気道の閉塞や胃液による化学性肺臓炎が起き、低酸素血症が生じる。 気道閉塞部位より末端の肺胞が虚脱して無気肺に進展する。 このような状態で咽頭細菌叢が肺内に吸引されると、細菌性肺炎を合併する。 細菌性肺炎の像を呈するのは数日後であることが多い。
誤嚥性肺炎 なぜ起こる?
誤嚥によって食べ物や唾液、胃液などと一緒に細菌が気道に入ることで肺の中で細菌が繁殖して炎症を起こし、誤嚥性肺炎が発症する。 また、食べ物などの誤嚥の他に、口の中や喉の粘膜にすみついた細菌を含んだ唾液の誤嚥や、寝ている間に胃と食道の逆流によって胃酸を含んだ胃の内容物を誤嚥して起こることもある。
誤嚥性肺炎 どうなる?
一度誤嚥性肺炎を起こすと、気道粘膜はなかなか完全には回復しません。 そして粘膜の感覚が鈍くなってしまい、誤嚥しても咳が起こりにくくなり、食物を有効に排泄できないためますます肺炎の危険が増大する、という悪循環が起こります。
誤嚥性肺炎 チアノーゼ なぜ?
吐物を誤嚥した際の気管支や肺の炎症には、直接の化学物質による傷害のほかに炎症性サイトカインの関与も指摘されています。 大量の誤嚥では息苦しさが突然起こり、発熱や低酸素血症を示すチアノーゼがみられます。
誤嚥性肺炎ってどんな病気?
誤嚥性肺炎は、口の中の細菌が唾液や食べ物と一緒に誤嚥され、気管支や肺に入ることで生じる肺炎です。 嚥下機能の低下した高齢者や、脳梗塞後遺症やパーキンソン病などの神経疾患(喉の神経や筋肉が正常に働かず嚥下障害を来たす)を抱えている患者や寝たきりの患者に多く発生します。